昨年秋に製品化決定をご案内して以来、開発進行中の西武001系「ラビュー」。
大変長らくお待たせいたしましたが、2021年8月度にメーカー受注を開始いたしました。
あたかも銀色の半球のような大胆な意匠を持つ前頭部は西武鉄道さまの全面的なご協力により、実車の詳細な情報をご提供いただくことで
より実物の印象に近づけられるように心がけて設計作業を進めました。
オデコ部分のフロントガラス奥に並んだ前照灯と尾灯、コンソール手前下に設置された前面表示器はLEDを用いて明るく点灯します。

フロントガラス越しに見える運転台コンソール、前面撮影用のカメラのほか、
貫通扉部の奥にチラリと見える手摺もリアルに彫刻しています。
実車を観察した際にフロントガラスの中でひときわその存在を主張する部分ですのでその再現に拘りました。
左右で形状の異なるワイパーもなるべく実車の印象に近くなるように留意して設計しています。

スカート部分は半球体状のボディから一段せり出した、特徴あるデザインになっています。
段差状になっている部分には点検フタなどのディテールが存在し、滑らかなボディ形状とのギャップが印象的な部分です。
メリハリのついたディテールで細密感を演出できるように心がけました。

先頭車全体のポロポーションをご覧ください。
着座した乗客の足元まで拡大された側窓や、大きく見える座席が印象的です。
なお、目立たない点ながら水平部がスリムになった新型の無線アンテナも新規作成しています。

前頭部を斜め後方から見た図です。
運転室側面窓は運転席側のみ、側引戸による開閉式でボディ表面から凹んだ形状が特徴です。
助手席側はボディ外形の曲面に一部掛かった部分も含めて滑らかに仕上げられています。
また運転室側面窓下部の絞り込まれた部分も実車資料に基づいて的確に再現。
車体塗装ゆえに通常の写真では写りこみにくい部分も異なる角度から実車を観察し、資料と照らしあわせて進めています。

前照灯、尾灯の点灯パターンによる演出も「ラビュー」の個性の一つです。
特に前照灯周辺部の円形発光部を上半分だけ点灯させた「スマイル」を模した表情はご存知のファンも多いことでしょう。
本製品ではライトユニット最前部の透明部品を差替え式で設計し、点灯パターン毎に差し替える方法で再現します。
「スマイル」状態のほか、フル点灯状態、中央部のみ点灯状態、外周部のみ点灯状態の合計4種類が選択可能です。
製品出荷時にはフル点灯状態の部品をセットし、残り3種類は付属品として小袋に入れる予定です。

既報のとおり、窓の大きな動力車に対応するために天地寸法を大幅に縮小した新型動力を開発しました。
天井裏に補助ウエイトを搭載することを検討中です。
また、新型動力を搭載する製品は今後順次展開していくことを検討中です。